REPORT何故、オルソスキャナは鏡面検査や高級塗装面検査に威力を発揮するのか?

シリコンウェハーの検査、金箔・屏風の美術品撮影、高級車塗布膜の画像検査など、カメラ方式では難しいとされる撮影において、オルソスキャナは威力を発揮します。
結論から言うと、
(1)カメラ方式では原理的に無理。場所による照明ムラが発生する。
   拡散照明装置を用意できたとしても、レンズの視線は撮影箇所により角度が付く。中心投影レンズの限界。
(2)高精細イメージスキャナ方式でも厳しい。副走査方向は、均一なライティングが可能となる。
   しかし、主走査方向(ラインセンサ長手方向)に、照明ムラが発生する。
(3)オルソスキャナ=テレセントリック光学系だからこそ可能な光学系。
   主走査方向(ラインセンサ方向)、副走査ともに、全域で同一照明条件、同一視線となる。
   その結果、均一な金箔面は、均一な濃淡値となる。
   結果、シリコン鏡面検査や高級塗装面検査においては、かすかな製造工程上のムラや、キズ、を簡単な画像処理で検出可能となる。
ということになります。もちろんこれは、可視光で成り立つだけでなく、赤外線光源でも成り立ちます。
簡単な原理図で解説していきましょう。

Case-1:高精細デジタルカメラの場合

光軸中心(C)では、照明の鏡面反射(正反射)成分はレンズに来ません。
しかし、ポイントP1,P2では、鏡面反射が起こります。結果、均一な照明ができません。
対策は、光源1,光源2側を全て完全拡散面にすることです。
しかし、レンズが、C,P1,P2のそれぞれで、見込む視線の角度が異なることは回避できないため、 金箔表面の性状の均一な記録は困難となります。
特に、高級塗装膜の検査では、この視線角度の差異が問題となります。

Case-2:高精細イメージスキャナの場合

ラインセンサを使うため、光源の正反射光は、レンズ方向にやってきません。
しかし、ラインセンサの配列方向をみると、先ほどのデジタルカメラと同様に、中心投影レンズを用いているため、 P1,P2にて反射された光が、レンズに届くコースは、光軸中心、Cと比較して、異なる視角、視線方向となります。
結果、金箔表面の性状の均一な記録は困難となります。

Case-3:オルソスキャナの場合(テレセントリック光学系)

こちらも、先ほどと同様に、ラインセンサを使うため、光源の正反射光は、レンズ方向にやってきません。
既存のイメージスキャナ式の高精細撮影装置との違いは、このテレセントリック光学系を採用した点です。
P1,C,P2全ての箇所で、全く同じ視角、視線方向となります。その結果、金箔表面の性状の均一な記録が可能となります。
なにはともあれ『百聞は一見にしかず』です。ぜひオルソスキャナをお試しください。